水産基盤の大規模災害と漁村復興の課題

東日本大震災では、特に岩手、宮城、福島の3県の全ての漁港漁場漁村等の水産基盤が甚大な被害を受け、また今年1月に発生した能登半島地震でも、輪島周辺の海底が隆起するなど能登半島の漁港漁村で甚大な被害が生じている。能登半島地震からの復旧復興は始まったばかりであるが、これら東北3県や能登半島の被災地は何れも我が国水産業にとって非常に重要な役割を担う地域であり、生活再建への対応が急がれる中でも、一部岸壁等の供用開始ができるような段階的な水産基盤の復旧復興が進められるなどできるだけ効果的な復旧復興となるように産学官が連携して現場の様々な課題を解決しつつ、水産業の早期回復や漁村の復興に努めている。また、これらの経験や教訓は、人口減少社会における南海トラフ地震始め大規模災害が懸念される全国の自治体の関係者にも共有できるものも多く、今後の水産基盤の防災・減災対策にも生かしていくことも期待される。
本シンポジウムでは、「水産基盤の大規模災害と漁村復興の課題」と題して、今年発生した能登半島地震での水産関連施設始めとする漁港漁場漁村等水産基盤の被害の状況や復旧の現状と課題を中心に8名の講演者から報告していただくとともに、総合討論ではこれまでの水産基盤の復旧復興の課題や今後の地震・津波対策等の大規模災害に対して備えるべき防災・減災対策について意見交換を行う。
日 時: 2024年11月29日(金)13:00-17:00
会 場: 東京海洋大学 楽水会館(JR品川駅南口から徒歩10分)
形 式: 公開シンポジウム(対面式)
定 員: 約120名*先着順
〆 切: 11月22日
参加費: 無料
申込方法: メールによる事前申込み。
件名を「2024年度秋季シンポジウム参加申込み」とした上で、氏名、所属、肩書、連絡先、会員非会員の別、懇親会参加の有無を記載の上で、佐藤昭人([email protected])までメール送付願います。
問合せ先: (株)不動テトラ顧問 佐藤 昭人(東京海洋大学客員教授)
tel.03-5644-8520 fax.03-5644-8510
e-mail: [email protected]
<プログラム>
13:00 開会挨拶 日本水産工学会会長 松下吉樹
13:05 企画趣旨 東京海洋大客員教授 佐藤昭人
【講演】
13:10 能登半島地震における水産関係被害の状況と復旧・復興の現状について
石川県農林水産部水産課 課長 藤原孝浩
13:30 能登半島地震での漁港の被害状況調査手法事例について
(一社)水産土木建設技術センター 調査役 小松英則
13:50 能登半島地震で隆起した漁港の被災状況と対応について
(一財)漁港漁場漁村総合技術研究所 次長 後藤卓治
14:10 能登半島地震の輪島海岸の隆起に伴う藻場資源の変化について
個人事務所 わじま海藻ラボ 石川竜子
14:35 東日本大震災における水産物流通からみる漁業再生の課題
(株)水土舎 代表取締役麓貴光
14:55 大規模災害からの漁村復興まちづくりの課題
(株)漁村計画 代表取締役 富田宏
15:15 災害に強い水産地域と復興まちづくりについて
水産庁漁港漁場整備部防災漁村課 課長補佐 朝倉邦友
15:35 漁港等の大規模地震津波被害を踏まえて水産基盤の大規模災害と漁村復興の課題を考える
(株)長野漁港技術事務所 代表 長野章
【総合討論】
16:00-16:55 水産基盤の大規模災害と漁村復興の課題
座長:東京海洋大副学長岡安章夫、 パネリスト:講演者
16:55-17:00 閉会挨拶 日本水産工学会企画担当理事 伊藤 靖