東日本大震災2011 復興状況報告書 〜事例研究〜
2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は、過去に前例のない複雑なものであり、防災及び復興の点において歴史的に重要である。実務者、専門家、学者、その他関係者ともに、今回の超巨大災害から得られる教訓は、今後発生する災害の影響を最小化するために重要であるということで意見が一致しており、そのため全世界の人々、特に同様の危険性と脆弱性に直面している国やコミュニティに対して、これらの教訓を記録し共有化する必要がある。
この観点から、国際復興支援プラットフォーム(IRP)、-特に内閣府(CAO)、アジア防災センター(ADRC)及び国連国際防災戦略事務局(UNISDR)-は、東北大学、神戸大学等と協力し、「東日本大震災復興状況報告書」を作成することとした。報告書では、復興過程に焦点を当てるとともに、内閣府が進めている「専門家会合」、世界銀行による「ナレッジ・ノート(教訓集)」など、IRP 構成機関が作成した東日本大震災にかかる既存の報告書の重要な結論をまとめることを目的としている。
プロジェクトの全体的な目的は、復興過程、成功例、計画作成上及び復興過程の中で直面した課題を記録することであり、具体的には次の 3 点を達成することを目的とする。
1. 復興過程が分かる部門別の事例研究を行うこと。
2. 専門家会合やナショナル・コンサルテーション等の実施を通じて、被害を受けた市町村、行政関係者、専門家やその他関係者の意見を聞くこと(全ての意見を最終報告書でまとめる)。
3. 様々な関係者の意見と事例研究を分析し、報告書にまとめること。
また、当報告書作成プロジェクトは、1)事例研究(分野別復興等)、2)専門家会合、ナショナル・コンサルテーション等の実施、3)最終報告書の分析・まとめ、の3つの主な部分から成り、政府、国際機関、研究機関が相互に連携することにより進められた。