グループによる BCP 策定ワークショップの手引き
中小企業庁では、自然災害等の不測の事態による我が国経済への深刻な影響を避けるための方策として、我が国企業数のほぼ全てを占める中小企業・小規模事業者における「事前の備え」を支援するため、事業継続計画(BCP)の普及促進に努めてきている。
一方、中小企業・小規模事業者におけるBCPの策定率は、現在1割程度であり、中小企業・小規模事業者においてBCP策定・運用等の効果が十分に認知され、その普及が円滑に進んでいるとは言い難い状況にある。
このため、中小企業庁は「平成 26 年度中小企業事業継続計画(BCP)に関する調査」において、中小企業・小規模事業者におけるBCP策定・運用の取組をさらに促進するための手引き作成を目的として、中小企業・小規模事業者で構成される複数グループを対象としたBCP策定・評価ワークショップを実施した。このワークショップは「中小企業 BCP 策定運用指針(第 2 版)(以下「運用指針」という)」を活用して、中小企業・小規模事業者が自らBCP策定を行うにはどのような手引き・ツール類が必要となるかというテーマのもと実施されたものである。本手引きは、ワークショップにて実際に運用指針及びツール類を使用していただき、具体的な有用点や課題を抽出・改善したうえで、取りまとめた。
BCPは緊急時への対応力向上のみならず、取引先の信頼向上、業務の効率化、人材育成等、平時の経営上のプラスの効果に繋がることが確認されている。そのためにはBCP策定に着手する際に、災害時のみならず平時の経営上の効果を高めるための適切な目標と手段が必要となる。本手引きは有事のみならず平時の効果も見据えた形での手引きとなっており、これからBCPに取り組む中小企業・小規模事業者はぜひ活用願いたい。