防災政策体系における事前復興計画の位置づけに関する日米比較と課題抽出
自然災害による人的・経済的被害の増加に呼応するように事前復興計画への注目は日本のみならず世界的にも高まりつつある。事前復興計画は日米の研究者や自治体関係者間で数十年前から議論されているが、世界的における策定は限定的である。本稿では日本、及び米国における事前復興計画が防災法政策体系の中でどのよう位置づけられているかを明らかにし、日米各国の特徴と共通の課題を抽出する。
本研究を通じ、米国では少なくとも25年間の間に四度の防災政策体系の変容が認められ、事前復興計画は個別施策の一つとして位置づけられ、災害前、被災後、復旧復興というシームレスな対応における復興準備という意味合いが強いことが明らかとなった。また、日米ともに事前復興計画の有用性は未だ検証されておらず更なる研究が求められる。さらに日本では、地震・津波災害のみの事前復興計画ではなく気象系災害への転用検討も求められる。
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