災害拠点病院における地震災害時のサージキャパシティの推定から導かれる病院BCPの課題
この調査報告は、災害拠点病院の BCP の課題をサージキャパシティの推定から多施設横断的に検証することを目的としている。
和歌山県の災害拠点病院10 病院の職員のアンケート調査、BCP 評価の結果、および三連動地震被害想定に基づく発災後の医療需給バランスの推定値を用いてBCPの課題を考察した。
医療需給バランスの推定では被害想定に充足しうる地域と不足する地 域が明確に分かれた。BCP の訓練計画は全体的に充足していたが、職員の食糧等の供給体制、受援計画の不足や欠如があった。また医療供給量が不足する地域は特に受援計画の充実が望まれるがBCPは全体的に受援マニュアルがない状態であり、医師の参集が困難となりやすい地域でも人員項目の内容に不足が認められ、策定されたBCPの課題と考えられた。
多くの地域で医療需給バランスが不足しうる状況だったが、BCPの受援計画や職員への災害意識向上の取り組み等の不足が示唆された。
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