計画の性格・役割
「岩泉町震災復興計画」は、今回の津波による災害を、新たなまちづくり の原動力に転換し、被災地である小本地区の早期復興の指針としながらも、 岩泉町全体のまちづくりの先駆的な取り組みとしての役割も併せ持つもので す。 この計画は、復興に係る各分野の様々な課題や目標を一体的にとらえると ともに、「新岩泉町まちづくり総合計画」との整合性を確保し、次のような性 格と役割を持つものとして策定します。
- 震災復興のための行動計画
- 被災者の自立復興支援のための計画
- 国、県などの関係機関に対しての、復旧事業の推進や支援などの要請
- 岩泉町全体の新たなまちづくりの先導
計画の目標 ― 心はひとつ いのちの海に 未来を拓く岩泉 ―
津波襲来直後から人々の助け合いが被災地、被災者を支えてきました。 岩泉を支援していただく全国、全世界の多くの人々の思いも寄せられてい ます。人と人をつなぐ心の絆の大切さに改めて気付かされました。岩泉を 愛する気持ちはみな同じです。すべての町民が力をあわせ心をひとつにし て、岩泉の復興に立ち向かいます。 自然の猛威になすすべもなく、貴い人命と多くの財産を奪われました。 しかし、海や自然を決して恨むことはしません。海は私たちのいのちの源 だからです。豊かな海とそれを育む森があって初めて私たちは暮らしを営 むことができます。豊かな自然の恵みに感謝し、自然と共生し、自然を活 かしながら、ともに生きるまちを目指します。 未来の子ども達に対し希望に満ちた豊かな社会を伝えていくことが、い まを生きる私たちの責務です。震災で失った地域全体の財産をもう一度も との姿に取り戻し、それ以上により良く、より高く前進させていかなけれ ばなりません。復興の道のりは険しいものの、この試練を地域づくりの転 期ととらえ、岩泉の新しい時代を力強く切り拓いていくことを目指します。
(1) 生活の再建
被災住宅の再建や社会生活基盤の復旧を進めるとともに、被災者をは 3 じめとした町民が、健康で自立復興を進める地域社会の実現を目指しま す。
(2) 防災体制の強化
防波堤、防潮堤、堤防など防災施設の復旧強化を進めながら、津波浸 水域の防災対策など安全確保に努めるとともに、災害時の情報伝達シス テム、避難態勢や支援体制の再構築、新エネルギー対策など、災害に強 い町づくりを目指します。
(3) 産業経済の再生
漁業や農業などの生産基盤の復旧や被災事業所の復興に努めながら、 水産品等製造業などの誘致、一次産品の流通対策、6次産業化などを強 力に推進し、雇用の場の確保と地域の活性化を目指します。
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