復興の歴史的展開から導き出される復興の普遍的原理
大規模な災害が相次ぐ時代を迎えている。災害の被害が多くなれば、それだけ復興のニーズが質量ともに大きくなる。その結果、復興の長期化や迷走化が起こり、被災者と被災地の負担がますます大きくなっている。その負担を可能な限り少なくするために、過去の復興事例とその教訓を考察して、次の大災害の復興に生かせる普遍的な原 理を見出すことが欠かせない。そこで、わが国の明治以降の主要な災害を歴史的に考察し、復興の概念と手段についての共通原理を見出した。その概念の検討では、震災で顕在化した社会の歪みに向き合って改革をはかることの 重要性を指摘した。その手段の検討では、事前復興の構えと備えが必要で、構えでは復興制度の整備が、備えでは復興人材や復興財源の確保が欠かせないことを指摘した。この歴史的考察から導き出される普遍的な原理を生かし、 復興の進化が図られることを期待したい。
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Themes
Recovery
Country and region
Japan

ISBN/ISSN/DOI
https://doi.org/10.34606/jsdrr.15.0_29 (DOI)
Number of pages
8 p.
Publication year
2020