21 世紀は、大地動乱と地球温暖化の時代になるのではないかと危惧されている。地球上に 11 あるプレートのうち 4 プレート(太平洋 P ・北米 P ・フィリッピン海 P ・ユーラシア P)が押し合い、東日本が北米プレート上に、西日本がユーラシアプレート上に、伊豆半島と
伊豆諸島がフィリッピン海プレート上にある日本列島は、東海・東南海・南海地震など M8 クラスの海溝型地震の切迫性が高まっていると指摘されている一方、首都直下地震をはじめ内陸での M7 クラスの地震が多発する懸念もある。
巨大地震災害なのか、内陸直下の比較的小規模な地震災害なのか、一人ひとりの被災者にとっての苦労は変わりない。全国どの街でも、次の地震までに被害を軽減する「防災都市づくり・防災まちづくり・防災いえづくり」を進め、交通施設やライフラインなどの都市基盤施設を強化し「国土の防災骨格づくり」を進めること、21 世紀の上四半期に「国家の存亡」をかけて、とりかからねばならない。国家的課題である。
被害軽減も災害対応活動も、個人の取り組み(自助)が基本である。行政の役割とは、個人の「自助」及び自助を補完する「地域共助」・「市民互助」の取り組みを支援する「公助」である。否応なく高齢化し、人口の減少も予測されている日本の都市社会では、自助・共助を
促すためにも、「社会の防災基盤づくり」も不可欠となっている。災害時要援護者支援とはまさにそのひとつである。加えて、切迫する地震災害や水害に対して災害前の平時に実行する、被害軽減のための災害予防の取り組みとともに、被災から速やかに復興するための復興対策の事前準備も重要な取り組みとなっている。とくに、東海地震、東南海・南海地震、首都直下地震あるいは上町断層地震という巨大地震災害では、事前に復興の準備をして迅速な復興を実現することが重要である。